冷却水の適正な温度と流量

冷却水は常温で十分

--数値で検証する適正な冷却の姿--
射出時・取出時が高温のダイキャスト成形やプラスチック成形の冷却では、低温のチラー水と常温冷却水の「冷たさ」の違いはわずか。
このわずかの差は、流量の少しの増加でカバーできるのです。

チラーの電力コストは約40倍

低温のチラー水を供給する電力コストは、クーリングタワーを利用した常温冷却水に比べて、約40倍へと格段に膨れ上がります。
コストパフォーマンスを考えると、常温冷却水の優位性は明らかです。

障害のない常温水冷却を実現

--二次冷却システムによる生産性の向上--
クーリングタワーの冷却水をそのまま冷却回路に使用すると、腐食(錆)やスケール・スライムといった障害が発生し、冷却効率や製品精度の低下、配管や機器の損壊を引き起こします。
二次冷却システムは、クーリングタワー水(一次冷却水)と機械側冷却水(二次冷却水)を分離し、 障害の原因となる酸素や不純物質を機械側の冷却水から大幅に減少させることによって、障害の発生を防止します。
世界中どこでも、どんな水質の場所でも、同じ水質の冷却水を得ることができるのです。

具体的な計測数値で検証

--ダイキャスト成形A社による導入例--
二次冷却システム導入前では、5,000ショット後(定期メンテ期限)の金型表面温度は、最大100℃も上昇しています(【Fig-03】)。
配管にスケールが堆積したことにより、 回路によっては流量が30%減少していました(【Fig-04】)。
冷却効果が変動し、品質の悪化を招く結果となっていました。

【Fig-03 金型表面温度の変化】

【Fig-04 冷却回路ごとの流量の変化】

二次冷却システムを簡単に実現するUWT Cooling Unitを導入し、 脱酸素処理による溶存酸素の低減・純水補給による不純成分の除去・機械側冷却水の閉回路化による成分濃縮の防止が図られました。
水質は劇的に改善され、冷却回路の閉塞がなくなり、金型のかじり・製品への異物の付着が減少。
また、5,000ショット後の金型表面の温度上昇も大きく抑制されました(【Fig-05,06】)。
これらの改善により、生産が安定し、不良率の約3%低減が実現しました。

【Fig-05 二次冷却システム導入後の改善状況】
左より水質・金型トラブル回数・金型表面温度上昇の導入前後の比較

【Fig-06 冷却回路のスケールの比較】

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2020年3月13日

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