冷却水系の障害

伝熱抵抗の増大

 金型水孔やオイルクーラー、チラー、温調機の熱交換部に付着した堆積物は、伝熱抵抗の増大によって大きな効率低下を生じさせます。 これは、堆積物の熱伝導度が、金属に比べて非常に低いことに起因しています。【Fig-08】は冷却水系に関係するいくつかの物質の熱伝導度を表しています。 酸化鉄(鉄錆)、スケール、スライムの熱伝導度は、金属に比べて数10分の1から数100分の1という低い値です。
 低熱伝導度の堆積物が伝熱面に付着すると、断熱材のように機能して伝熱抵抗が増大します。この影響をオイルクーラーの例で確かめてみましょう。 スケールなどの堆積がないとき、32℃の冷却水を用いて、50℃のオイルを44℃まで冷却できるオイルクーラーを考えてみます。堆積物の熱伝導度を0.5W/mKとして、 堆積物の厚さと総括伝熱係数、オイルの出口温度の関係を計算すると【Fig-09】のようになります。
 堆積が厚くなるとともに、総括伝熱係数は急速に低下します。初期には44℃まで冷却されていたオイルは、堆積物が1mmになると45.7℃、3mmになると47.3℃までしか温度が下がらなくなってしまいます。 チラーのような冷凍機においても、堆積物の伝熱抵抗のためにこれと同様の総括伝熱係数の低下が起こり、電力を余分に消費する結果を招いてしまうのです。

障害の影響

●製品精度の低下
堆積物は均一に付着しないので、金型冷却では温度にばらつきが生じます。その結果、成形品の残留ひずみや収縮が大きくなり、製品精度の低下や不良品率の増大の原因となります。
●作業環境の悪化
クーリングタワーピットなどに発生する藻類や細菌は、作業環境を悪化させ、時にはレジオネラ菌が繁殖し、重大な健康障害の原因となることもあります。
●トラブルの多発・機器の損傷
デポジットの堆積によって高圧カットなどのトラブルが多発します。水孔の閉塞、腐食による機器の寿命短縮も大きな損失です。

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【Fig-08 堆積物と金属の熱伝導度】

【Fig-09 堆積物によるオイルクーラー温度と総括伝熱係数の変化】

【Fig-10 冷却水系の障害の相関】

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冷却水系の障害
二次冷却システム
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