冷却水系の障害

スケール

 スケールは、水中に溶解している炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカなどが固体として析出したものです。これらの物質が水に溶けることのできる最大の量は、温度とpHによって決まります。 クーリングタワーの蒸発によって水中の溶存塩類(水に溶けた炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカなど)の濃度は上昇し、同時にpHも上昇します。
 炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどは、温度が低く、pHも低いほど多量に水に溶け込むことができるため、濃縮によってpHが上昇すると、溶解できる量が減少します。 その上、射出成形工場の冷却水は、温度は比較的高いのが普通です。濃縮だけでも溶存塩類の飽和濃度を超える場合もありますが、これに、温度とpHの影響が加わるので、 冷却水は過飽和になりやすい状態になっています。こうして、水に溶けることのできなくなった炭酸カルシウムなどが水孔壁に結晶として付着したものがスケールです。
  【Fig-05】は、補給水がpH7.5、温度25℃、カルシウム硬度50ppmという平均的な水質を考えた具体例です。この水が、5倍に濃縮されると、温度が25℃のままでも過飽和状態になります。 また、2倍にしか濃縮されなくても、温度が45℃になると、やはり過飽和状態に移行することを示しています。

スライム

 冷却水は、水中微生物の繁殖に最適な温度で、栄養分を充分に含んでいます。そのため、多くの冷却水系ではバクテリア、細菌、藻類が繁殖し、水とともに冷却水系のいたるところに移動し付着します。 微生物、あるいは微生物が分泌する物質の堆積をスライムと呼びます。微生物の分泌物は粘性があるので、水に混入した細かい砂などを取り込んで堆積を厚くします。 温度の高くなる熱交換部に付着したスライムは水分を失って除去の困難な硬い石状になり、錆やスケールの堆積と同じように冷却効果を阻害します。
 スライムは、それ自体が冷却水系に影響するだけでなく、他の障害の原因にもなります。その一つに挙げられるのが、病原性菌類の繁殖の温床となることです。  レジオネラ菌は、こうしたスライムの発生した水中で活発に増殖します。さらに、スライムの堆積によってその下の金属表面への酸素供給が阻害され、  酸素濃淡電池が成形されて腐食の原因になることもあります。

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【Fig-04 溶存酸素濃度と腐食速度の関係(25℃)】

【Fig-05 温度・pHとスケール析出領域の関係】
図中の斜線より上が、それぞれのpHにおけるスケール析出領域。

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